基礎知識

焼結金属加工品の試作品と量産品の違い

スプロケットやプーリーなどの異形状・複雑形状をした焼結金属部品の多くは量産品として扱われることがありますが、量産に移る前には試作品の検証が行われます。試作品には一品一様の仕様が求められ、検証で合格した後に量産ラインが作られ、量産されます。機能試作、製品試作、量産試作の過程を踏んで、本格的な量産となる場合もあります。
焼結金属の試作品は一般的には市場に出回ることがなく、設計が正しく、形状がイメージに合っているか、機能的に仕様を満足しているかが検証されます。試作品は単品、小ロットでの生産・製造となります。試作品から量産品に移る際に起こりえるトラブルとしては、試作品では実現できていた精度が実現されなかったり、治具や金型が特殊で、小ロット生産のみにしか適しておらず、想定していた生産数に対応できない、といったものがあります。
焼結金属の試作・開発品の段階から、量産を見越した製品設計や治具製作を行うことで、こういったトラブルを回避することが可能となります。

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